Roamers Lifeという生き方

エストニアをベースに無拠点生活を目指す奮闘記

自分の生き方の原体験ってなんだろう?

The Journey

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The Journey 自分の生き方をつくる原体験の旅

The Journey 自分の生き方をつくる原体験の旅

 

 The Journeyを読み終えました。

旅には十人十色あり、旅をすることで今まで見えなかったものが見えるようになったり、自分の今を振り返ることができることを改めて感じられる本でした。

今回は、本の感想ではなく、僕自身のThe Journeyを書きます。

 

 

原体験の旅00

千葉恵介 20歳

 

今この瞬間を生きる旅

 

起業家

「今この瞬間を生きる」というのは言葉にすれば簡単だけど、実際やってみると難しい。1分とか1時間とかなら時計を見れば体感値が湧くけど、1秒1秒って当たり前のように流れている時間だから感じ取りにくい。

だけど、旅先でのかけがえのない時間は、1秒1秒噛み締めながら味わうことができる。旅は、僕の五感を刺激し第六感を引き出してくれる。

 

aLIFE

15歳 初めての一人旅でシンガポール

18歳 高校3年でiPhoneアプリ企業を立ち上げる

19歳 ヨーロッパ22カ国着物完全制覇の旅でYouTuberデビュー

20歳 「旅するように生きる」人向けのコミュニティサービス事業を始める

 

旅の原体験は愛・地球博だったかも

The Journeyを読みながら、僕にとっての旅の原体験はなんなのか?を考えてみた。小学校の頃から家の裏山を登ったり、家から15キロ先のおばあちゃんの家に兄貴と二人で歩いたり。小さい頃から、家族旅行で沖縄や北海道に連れていってもらったり。旅とは触れ合ってきたことに間違いはない。

だけど、原体験と言えるほどの記憶ではない気がした。。。

そんな時、2005年の愛・地球博を思い出した。僕は、その時9歳。小学4年生だった。この頃から、視野が日本から世界に広がっていた気がした。

岐阜市に生まれ、愛知県長久手市にある万博会場に行くのに近くはないのにも関わらず、父親を説得し、何度も通った。7回もである。

なんでそこまで、僕は愛知万博に魅了されていたのか?今でも不思議だ。

だけど、確かなことはまさに愛知万博は僕にとっての旅であったのだ。パビリオン毎に装飾も香りも人種も違う。

日本という慣れ親しんだ場所にいるのに、異国にいるような雰囲気が漂っていた万博会場は、小学生だった僕にとっては海外そのものだった。

今でも鮮明に覚えているのは、ヨルダン館の死海の展示だ。なぜ、体が浮いているのかというのがあまりにも衝撃的だったのだと思う。

この愛知万博は、小学生だった僕の好奇心をくすぐり、世界は面白いんだということを伝えてくれていたのだと思う。

 

10代最後に武勇伝を作る

ヨーロッパ22カ国を着物で回るというのは、「水曜どうでしょう」のヨーロッパ21カ国完全制覇の企画を超えてやると思いやったものだ。

元々は、ビフォアーサンライズという映画を見ていた時にふとヨーロッパって電車で移動できるじゃんって気がついたのがきっかけ。

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 友達に「旅いかない?」とLINEしたら即決定して始まったものだった。初めは、YouTuberになることも着物で旅することも考えていなかったけど、人から「やってみなよ。」と言われ、直感的に面白いなと思ったこともあって、冗談を鵜呑みにして旅に出た。

一生で最後の10代なんだから馬鹿げたことして、武勇伝として語れるようになりたいと単純に思っていたから、着物もYouTubeも即決で実行した。

 

素敵な出会いと経験をしたヨーロッパ着物旅

初日からヨーロッパって多様性のあるところだなと思わされた。ロンドンが出発点だったこともあり、空港から着物をきて街に繰り出した。誰からも声をかけられない。想像では、ちやほやされ人気者になるつもりだったのに、失笑している人、見て見ぬ振りをする人、無表情の人などあんまり歓迎されているかんじではなかった。

本当にヨーロッパって多様性があるから、民族衣装の一部として着物も見られるから当たり前なんだ。と初日から痛感した。

 

旅の中盤にパリに行った。お金もなかった僕らは、パリの大衆食堂でご飯を食べていると、隣にいたカップルから「着物かっこいいね」と声をかけてもらった。

それから、「なんで旅しているのか?」「どこに行ったのか?」「日本で何しているのか?」など色々話した。

その会話の中で衝撃的だったのが、「君たち汚染されてないの?」「福島大丈夫?」という話だった。日本では、原発の話がメディアで騒がれなくなっていたのに、フランスでは「福島やばいよ」「君たち被曝してるんじゃないの?」ということを言われ認識の違いに愕然とした。今尚、原発問題は解決していないのに、日本人は安心しきっている事実。この平和ボケを自分もしていたことに気付かされた。

このフランス人カップルは素敵な方で、夜のパリの街を色々案内してくれ、夜中0時まで一緒に楽しく過ごしました。翌日のピクニックにも誘ってくれ、友人の輪に僕たちを招いてくれ、出会いの多いパリ旅にしてくれた。

 

旅の終盤、スロバキアの首都ブラチスラバでレストランを探すために旧市街をうろうろしていたら、後ろで手を振っている日本人カップルを発見した。声をかけると、「ここのワイン美味しいから一緒に飲みましょ!」と言ってくれた。

60代のカップルで、色々お話を聞いていると、事実婚らしい。女性の方は、日本人女性初のバックパッカー世代でアジアを中心に周っていたらしい。男性の方は、学生運動が大学で起きて、マルクス主義で日本で騒いでいる時に、マルクス主義をこの目で見たいとシベリア鉄道に乗って東ドイツを訪れるというあの時代では考えられないような旅をしていた人だったのだ。

この人たちから色々話を聞いていると、その男性は我々が何気なく当たり前のように使っているバーコードリーダーを世界で初めて製品化した会社の社長だったのだ。ユダヤ人から訴訟を受け、裁判所で戦ったことや日本政府とも裁判で戦ったことがあるなど普段では絶対に出会えない人と出会い、6時間ぐらいたっぷりお話をさせてもらった。

 この二人もアメリカを拠点としながら、世界中を旅しながら生きていて、年間で1週間程度しか日本に帰ってこないそうだ。

日本で会おうと思ったら、なかなか会えない人に旅先でふらっと出逢えてしまう。

自分が「旅するように生きる」ライフスタイルを実現させたいと考えていたら、実践者に声をかけられた。後から考えれば、偶然ではなく必然であり、自分の思考がそうさせたのだと思えて来た。

 

「旅するように生きる」ライフスタイルをもっと実現可能にしたい

旅は、僕の好奇心をくすぐり、今まで出てこなかった発想を生み出し、力を与えてくれている。そんな旅を一生し続けながら生きて生きた。まさに、旅するように生きる生き方である。

でも、世界中に自分の家を持つことはできない。2拠点持つだけでも辛い。学生である僕には、1拠点の家賃すら払えないという不甲斐なさを感じていた。その家賃の問題とヨーロッパを1ヶ月間転々としていた経験が合わさり、「旅するように生きる」人たち向けの多拠点生活シェアハウスを月額定額でやればいいじゃんというアイデアが浮かんだ。

このアイデアを不動産のHOME'Sを運営するNEXT(現LIFULL)のビジネスコンテストに応募して、5ヶ月間アイデアをブラッシュアップした結果、悔しくも最優秀賞は取ることはできなかったが、入賞することができた。

この入賞をきっかけに、自信がついたことでよりアイデアをブラッシュアップして、今は新たなステージで事業に磨きをかけている。(今年の末にはリリースしたいと意気込んでいる笑)

全ての出発点には旅があって、旅がきっかけで新たなアイデアが生まれ、それを実現させながら旅をする。

人生の全てのところに「旅」があるような気がする。

全ての国や地域で見る景色、匂い、湿度、空気感、音の全てが違い、言葉では説明できないような感覚が研ぎ澄まされる経験を今までして来た。

人間が定住したことで失った野生的な感覚を取り戻せるのが「旅」なのだと思う。そして、世の中が加速度的に変化している時代だからこそ、野生的な感覚が重要な時代なのだと思う。

その野生的な感覚こそ「今この瞬間を生きる」ということではないか。

明日死ぬかもしれない。今という時間は、二度とやってこないという感覚を持つことで、人間らしく生きられるのではないか。

これは悲観的なのではない。むしろ楽観的だと思う。喜怒哀楽全て揃って人間。この感性を大事にして、悲しいことも楽しいことも怒りも全て受け入れ、体感できる人間って素晴らしいし楽しい。

「生きてる!」って感覚を大切にしてこれからも生きていきたい。

 

 

無拠点生活という可能性 (追記:2017/9/5)

2017年8月、とある実験イベントで北海道の南富良野に1週間ほど滞在した。

偶然同じイベントにモバイルハウス事業をやっている友人が参加していたので、一緒に過ごしていた。

フットワークが軽く、直感的に生きている彼ら友人と価値観も近いので、その時も何気なく一緒にいると、森の真ん中にモバイルハウスで移動していた。僕は、ロフト部分で寝ていたので気がつかなかった。起きてみるとあたり一面真っ暗な森の中に軽トラ1台と男4人がいた。

その森の中で、飲んで語り合っていた。自分の話をしている時に、ふと無拠点生活という概念が浮かんだ。

今まで多拠点生活と主張してきたけど、実は自分は無拠点生活という生き方を追求していたということに気がついた瞬間、今まで点だったものが一筋の線になった感覚だった。

無拠点生活とは、複数拠点ではなく無限に拠点を持つというライフスタイルのことである。今まで多拠点生活では、3〜5拠点を転々とするスタイルだったが、無拠点生活では1万拠点以上を転々とするようなライフスタイルのことを指している。

 この無拠点のすごいところは、どこでも自分の家になるため、「楽しい」「嬉しい」「ここで寝たい」という感情に従って生きることができる。すなわち、「今を最大限生きる」ことに繋がるのが無拠点生活である。

この「無拠点生活」というライフスタイルがいつまで続くかはわからないし、一生無拠点生活をしているかもしれない。

それが人生。今一番やりたいことを本気で楽しんでやることが今この瞬間を生きることだから。

 

 

The Journey 自分の生き方をつくる原体験の旅

The Journey 自分の生き方をつくる原体験の旅

 

 

THE PLATFORM

The Platform

ザ・プラットフォーム:IT企業はなぜ世界を変えるのか?

ザ・プラットフォーム:IT企業はなぜ世界を変えるのか?

 

The Platformという本を読み終えました。

今考えている事業がプラットフォーム型なので、その勉強のつもりで読んでいたんですけど、あまり参考にならなかったというのが正直なところでした.....

どちらかというとプラットフォームを知らない人に対して、プラットフォームとはなんぞやという話が多く、どうやって運営していくのかということがあまり語られていない印象です。

それと、内容が薄いというか、哲学が薄まっている感じがして、物足りなさを感じたというのが率直な感想です。

 

 

プラットフォームとは何か

本書で書かれているプラットフォームの定義から紹介します。

本書で位置づけるプラットフォームとは、個人や企業などのプレイヤーが参加することではじめて価値を持ち、また参加者が増えれば増えるほど価値が増幅する、主にIT企業が運営するインターネットサービスを指します。少し専門的に言い換えれば、ある財やサービスの利用者が増加すると、その利便性や効用が増加する「ネットワーク外部性」が働くインターネットサービスです。

プラットフォームに欠かせない視点として紹介されていたのが、「共有価値観」でした。

この共有価値観は、「内部向け」と「外部向け」という2種類があるそうです。

内部というのは、社内。外部というのは、主に顧客に対してという意味でしょう。

 

ペイフォワードという考え方

本書にもペイフォワードの重要性が語られていました。

インターネットによって教育現場の役割が変わってきたという話があり、今まで先生が生徒に教えていたという関係性から、生徒が生徒を教えるという教育の仕方に変化しつつあります。

生徒Aが生徒Bを教える時、生徒Aは生徒Bを教える義務はないので、必然的に生徒Bは生徒Aに感謝を伝えます。

生徒Bは教えてもらい上達したので、生徒Cに教えます。というように、生徒同士の教え合いの輪が広がります。

これがペイフォワードになって、恩送りをしあう現象がおきます。

 

「目に見えない資本主義」の記事でも書きましたが、ペイフォワード的な目に見えない感謝で起きる経済(感謝経済)が当たり前になっていく時代であることを様々な本や経験から感じています。

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一見違いそうな分野の本を読んでも、結局ペイフォワードというところに落ち着いているのは、時代がそうさせているとしか言えないでしょう。

 

人と人をつなぎ、信頼のバトンを渡し互いの信頼や感謝を貯蓄する時代がやってきたのです。

 

ザ・プラットフォーム:IT企業はなぜ世界を変えるのか?

ザ・プラットフォーム:IT企業はなぜ世界を変えるのか?

 

 

 

 

目に見えない資本主義

目に見えない資本主義 

目に見えない資本主義

目に見えない資本主義

 

 今回は、目に見えない資本主義を読みました。

この本も面白かったです。

最近は、資本主義2.0を構想していまして、それは貨幣経済ではない共感経済を作り出すというものです。そして、その共感はバーチャルではなくリアルで起こることだと確信しています。

もちろんバーチャルでもできなくはないですが、リアルでの共感に勝るものはないです。

だからこそ、僕は「旅するように生きる」というライフスタイルを探求していますし、非定住型のライフスタイルに満足しています。

人生は短い。だったら、価値観の近い人たちに国を超えリアルに会って語り合い、友達になりたい。と思うからです。

 

 

パラダイムシフト

パラダイムシフトとはなんだ?という人もいると思います。

パラダイムシフトとは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することをいう。 パラダイムチェンジともいう。

パラダイムシフト - Wikipedia

 Wikipediaでは上記のように説明されていました。

簡単にいうと、今まで常識として考えられていた価値観が180度変わることを意味しています。

本書では、5つのパラダイムシフトが挙げられそれぞれについて論じられています。

1)「操作主義経済」から「複雑系経済」へ

2)「知識経済」から「共感経済」へ

3)「貨幣経済」から「自発経済」へ

4)「享受型経済」から「参加型経済」へ

5)「無限成長経済」から「地球環境経済」へ

これら全ての項目が面白いですが、全てをここで紹介するのは無理なので、興味がある方は、読んでみてください。

 

螺旋的発展の法則

本書で、「螺旋的発展の法則」というのが紹介されていました。これがとても興味深かったので紹介します。

皆さんもご存知の螺旋階段。この螺旋階段を登るように世界は発展するという法則のことです。

具体的に説明しますと、螺旋階段を登る人を横から見ると、上に登っていき進歩し発展していくように見えます。

しかし、上から見ると、螺旋階段を一周回って元の位置に戻ってくる復活や復古が起きているように見えます。しかし、元の位置に戻っているわけではなく、一段上の位置に登っています。

言葉を変えれば、「未来進化」と「原点回帰」が同時に起こるという法則。それが、「螺旋的発展の法則」である。

 確かに、インターネットもそうだよなと思えたので、とても印象的な法則でした。

 

共感経済とは

共感経済とは、「知識資本」「関係資本」「信頼資本」「評判資本」「文化資本」によって成り立つ経済のことです。これらの資本に共通するのが『共感』であることから共感経済と言われています。

僕を共感経済へと導いてくれた河崎さんがわかりやすく説明しているので、こちらもご覧ください。

 今まで、「貨幣」という客観的な尺度で測れるものは価値があり、貨幣で測れないものは無価値として扱われていました。

しかし、9割以上は「貨幣」では測れない見えない資本で形成されています。

そんな『見えない資本』に焦点を向けようとしているのが共感経済です。

しかし、今日のインターネットの発達によって、「見えない資本」が見える化してきたのも事実です。例えば、レビューなども評判の見える化だったりします。

 

見えない資本が定量化できなかった理由は、「所有できない」「自然に増える」「形態が変わる」という3つの理由からでした。

そのため、財務諸表に書き込むことができず、経済学でも扱うことができないので無視されてきました。

 

無意識な思考を改める必要がありそうです。その無意識な思考とは、「どのように『客観的な尺度』で評価するのか?」というものです。

この考えを紐解くと、「客観的に評価できないものは役に立たない」という発想が根底にあります。

社会に置いて存在する価値を、例えば「貨幣」という単一の「客観的尺度」で測ることが、一体何をもたらしたか。その行為によって、我々は、社会に存在する 「多様な価値」を多様な視点で見つめる力を失ってきたのではないか。その「尺度の単純化」こそが、社会における「価値観の単純化」と「文化の単純化」をもたらしたのではないか。もとより、「多様な価値」とは、単一の尺度では測れないからこそ、「多様な価値」と呼ぶのではないか。

 ということが書かれていました。

僕は、これを読んだ時に背筋がゾワゾワしました。

貨幣経済で生きていると、貨幣というのが神格化されています。そして、企業などでは収益化という尺度で物事が決定されています。例えば、市場規模を調べるにしても、客観的な尺度かどうかが見られますし。

社会的ビジョンを持っている人でも、最後は「単一的な客観的尺度」を要求します。

それが、社会の常であるかのように。

 

今は、パラダイムシフトの間の時代。「客観的な尺度」がどれだけ愚かな考え方なのかを一度立ち止まって考える時なのだと思わされました。

そして、パラダイムシフトの時代というからには、今ままでの企業経営の常識、投資家の常識というものを捨てなければいけません。その常識の天地がひっくり返る時代なのですから。

数値化することで膨大に失われることにも目を向けなければいけません。

そもそも、定量化することが間違っているのかもしれません。

 

共感経済は、パラダイムシフトの時代を形造る礎になると確信しています。

 

目に見えない資本主義

目に見えない資本主義

 

 

 

 

 

隷属なき道

隷属なき道

隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働

隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働

 

 今回読んだ本は、"隷属なき道"という本です。

最近僕もFacebookベーシックインカムについて何度か投稿して来ましたが、この本でもベーシックインカムの重要性が論じられています。

ベーシックインカムは、「人を怠惰にするだけ」とか「現実的じゃない」とか色々批判されている一方、シリコンバレーの起業家などでは導入すべきという論調もあります。

この奴隷なき道を読むと、ベーシックインカムがなぜ必要なのか?どうして実現できると言えるのかが書いてあるので、ベーシックインカムに興味のある人は読んでみることをオススメします。

 

フリーマネーは人を怠惰にするのか?

貧乏な人はお金の使い方が悪いという考え方は、世間の常識として浸透しています。貧乏な人たちを支援する活動や制度は色々あります。

例えば、生活保護だったり食べ物の配給だったり。

そして、生活保護が不正受給されないように事務手続きがたくさんありコストがかかります。

2009年にロンドンで13人のホームレス男性に3000ポンドをあげるという実験が行われたそうです。

使い道は各自自由とされ、唯一の問いは「自分には何が必要だと思うか?」というものだけでした。

それぞれのホームレスは、電話や辞書、補聴器などを買いホームレス支援のプロよりも自分に何が必要なのかをよく知っていました。

1年後の調査で、3000ポンドのうち平均で800ポンドしか使っていないことがわかった。

20年間ヘロイン中毒だった人は、身なりを整え、ガーデニング教室に通い始めました。

実験開始から1年半後には、13人の路上生活者のうち7人が屋根のある生活をするようになりました。そのほかに2人がアパートを借りました。13人全員が支払い能力や個人的成長へと繋がる重要な足がかりを得ていた。と本書にはあります。

 

この実験でわかったのは、単にフリーマネーが貧困者を自活させるというものだけではありません。

フリーマネーによって、かなりのコストを削減できるということも証明したのです。

 

ベーシックインカムの議論の中で、「財源がない」ということはよく論じられます。その議論の前提には、今までと同じだけのコストに上乗せしてベーシックインカムのことを考えるからです。

ベーシックインカムの導入は、ホームレスへの警備費、訴訟費用、社会福祉費なども節約できます。そして、生活保護も年金も必要なくなるわけです。

そして、税金の使われ道も透明化できます。消費税が20%になっても10%は毎月戻ってくるなら、安心して20%払うでしょう。

 

GDPが見逃している労働

最近も話題の安倍首相。彼は、よくGDPGDPと連呼しますね。

資本主義社会では、GDPが絶対的な指標として掲げられ、マイナス成長は国の破滅と言わんばかりに不安を扇ぎます。

コミュニティサービス、綺麗な空気、おかわり自由などは、GDPを増やさないと筆者は述べています。

また、ガッキーこと新垣結衣さんと星野源さんで有名になった「逃げはじ」でもありましたが、主婦の家事も無報酬のためGDPには反映されません。ボランティア活動もしかりです。

また、ウィキペディアやインターネットによって百科事典を買うこともなくなりました。SNSを使うのも無料ですし、このHatena Blogも無料です。

こうして、インターネット時代になったことで世の中には無料のサービスや労働が増えGDPでは測れない部分が大半を占めてきたのではないでしょうか。

 

ベーシックインカムの必要性

過度な資本主義とコマーシャリズムの今日、何が本質的な価値なのかがわからない人が増えてきました。

高収入を得ている人は、富を移転するだけで、有形の価値を創出していません。逆に有形な価値を創出している警察官や看護師は安月給に耐える時代です。

そうして、貧富の格差が広がることで紛争が起きたり、テロが起きたり様々な問題が続出しています。

そして、テクノロジーの発展によって人類は労働しなくていい時代が到来しようとしています。

その時代にどうやって対応するのか?今までのように「労働しない人は生きていけない」のであれば、ほとんどの人は飢えに苦しむでしょう。

 

また、問いを投げかけるとしたら、「あなたは、国が経済成長したら幸せですか?」「どこまで富を築けば幸せになれますか?満足できますか?」

人間は、無限の欲望を抱えていますが、有限の時間も同時に持っています。

何に時間を使って生きますか?

そう問われている時代が今日なのではないでしょうか。

 

お金がないと生きられない。ならば、最低限のお金をみんなで保証しましょう。というのがベーシックインカムです。

思いやりの時代にふさわしい制度だと僕は考えています。

 

まとめ

本書では、全10章でベーシックインカムについて語っています。

話の展開途中で、まとめに入るのも納得感がないかもしれませんが、続きは本書を手にとって読んでください。

人間は、思いやりを持ち自他の「幸せ」を追求する動物です。

それが実現する豊かな時代が今日です。

ベーシックインカムは、その土台を作るものです。

隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働

隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働

 

 

 

山形なう

山形に来て1週間

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山形県に来ています。

人生初の東北になります。(多分....)

今回なんで来ているかと言いますと、免許合宿が理由です。これからの時代は、自動運転車の時代だから免許なんていらないと今まで取ろうとも思っていませんでしたが、急遽マニュアル車を運転しないといけなくなったので、免許取りに来ています(笑)

 

今日、仮免試験があって見事合格しました!

 

今回は、山形で生活してみて感じたことを書いていこうと思います。

 

東京よりもいい意味で情報量が少ない

当たり前のことですが、東京のような大都会と違って、山形は田舎なので入ってくる情報量が少ないです。

僕は、それをいい意味で捉えています。

東京のような都会だと日常に飲み込まれ、不必要な情報までインプットしてしまいます。しかし、田舎は情報があまり入ってこないため、自分の思考を深められる時間が増えます。

渋谷を想像すればわかりますが、あちらこちらに広告やCMが流れ、センター街には音楽が、道路にはチラシやティッシュを配る人たち、様々なファッションの人たちが往き交い、1秒間に得られる情報がハンパないことがわかります。

 

情報を取捨選択できる

人工的な情報(記事など)がいたるところで目に入る東京に比べ、情報が少ない田舎では、自分で情報を選択できます。

インターネットによって、都会にいる人と同じスピードで情報を得ることが可能になりました。その情報を取捨選択しながら、思考することができるためインスピレーションが湧きやすいです。

また、東京は情報が多いだけでなく人々が忙しく動いているため、自分のゆっくりとした時間が取りにくいです。情報はインプットも大事ですが、それ以上にアウトプットが大切です。与えられた情報を鵜呑みにせず、自己解釈を交えながら思考することもアウトプットに繋がります。

最近は、記事を読んでアイデアが浮かんだらメモを取り、意見が浮かんだらFacebookでポストするようにしています。

メモを取ったりFacebookにポストする頭のゆとりがあるのは、都会よりも田舎の方だと実感しています。

 

田舎の方が情報量が多い

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最初の項目から矛盾を感じるかもしれませんが、ここでいう"情報"は自然から受ける情報のことを指します。

滞在先から徒歩10分ぐらいのところに白つつじ公園という公園があります。そこまで広い公園ではないのですが、庭園のような作りになっていて気持ちがいいです。

この公園にいるだけでも、鳥のさえずり、蝉の声、風の音、木のさざめき、水の音、草の香り、芝生の感触、湿度など。大量の情報に触れることができます。

しかも、人間にとって自然の情報量は癒しに繋がります。渋谷のガヤガヤした情報では癒しよりも苛立ちを覚えてしまうでしょう。

時間の流れがゆっくり流れる田舎では、自然から得られる情報量が都会よりも多く、落ち着けます。

 

まとめ

都会よりも穏やかな田舎にずっと暮らしたいとは全く思いませんし、ずっと都会に住みたいとも思いません。

やはり僕は、日本中世界中の都会と田舎をぐるぐると回りながら生活したいなと思っています。

都会も田舎もいいところがあるなら、そのいいとこ取りができるのが、Roamers Lifeという生き方です。

「旅するように生きる」というライフスタイルを今は追求したいなと思う今回の合宿免許です。(車が運転できるので、より行動範囲が広がりそうですw)

 

今回書きませんでしたが、都会のように夜遊びする場所がないので、早寝早起きの習慣も付いています。

健康的な習慣も身につくのはとってもラッキーですが、運動不足になりがちです。東京の1kmと山形の1kmは、距離は同じでも体感が全く違います。やはり山ばかりの山形だと歩いていても距離が長く感じますw

スーパーまで走って買い出しをしに行くことで、運動不足を少し改善しています!

 

 

【知らなきゃ損】もう、出入国で時間を無駄にしない!

こんにちは。

今日は、あいにくの梅雨の天気ですね。。。

実は、これからロンドンに行くんです。

そこで今回、出入国の"自動化ゲート"なるものを知りまして使ってみたいと思います。

www.gov-online.go.jp

 

「自動ゲート」とは

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(画像:http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201009/5.html

自動化ゲートは、パスポートと指紋の照合により、自動的に出入国審査を行うことができるシステム。出国前に自動化ゲートの利用登録をしておけば、出入国審査場が混んでいても、自動化ゲートを使って、スムーズに出入国審査を行うことができます。

海外旅行に行ったことがある人は見たことがあるかもしれません。

出入国審査に長蛇の列ができているのに、電車の改札みたいな機械があるところは閑散としている状況を。

まさにあそこが、自動ゲートです。

この自動ゲートを使えば、出入国で並ぶ必要が無くなります。空港にギリギリについて、やっと保安検査が終わったのに、また出入国審査で並ぶ。飛行機に乗り遅れそう!

みたいな状況を回避できます(笑)

この自動ゲートを通るときは、出入国スタンプが押されません。海外旅行や出張が多い人にとっては、パスポートの増補する手間が省けるというメリットがあります。

スタンプがどうしても欲しい人は、自動化ゲートの通過時によくいんに申し出れば、スタンプをもらうこともできるそうです。

なんとこの自動化ゲートは、10年前からあるそうです!

 

自動ゲートを使うには? 

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自動化ゲートを利用するためには、出国審査をする前に、登録カウンターで自動化ゲートの利用者登録をすることができます。

利用者登録をすると上の写真のようにスタンプがもらえます。

手続きの流れ

1)登録カウンターに備え付けてある申請書を記入する。

2)申請書とパスポートを一緒に登録カウンターの職員に渡す。

3)人差し指の指紋(両手)を登録する。

この3ステップで手続きが完了します。所要時間は、たったの5分です!

しかも、自動化ゲートの利用者登録や利用には手数料はかかりません。

世界を飛び回るデジタルノマドにとっては登録必須ですね。

 

有効期限は?

自動化ゲート登録の有効期限は、パスポートの有効期限までです。

なので、パスポートの有効期限が切れるまでいつでも自動化ゲートを利用できます。

パスポートを更新した時や再発行したときは、改めて自動化ゲートの登録が必要になります。

 

自動化ゲートの設置場所

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○ 成田空港…第1ターミナル・第2ターミナルの各出国審査場・上陸審査場(※成田空港の第3ターミナルには,自動化ゲートは設置されていません。)

羽田空港…中央及び北の各出国審査場・上陸審査場内の入国管理局事務室

○ 中部空港…出国審査場・上陸審査場

関西空港…第1ターミナルビル・第2ターミナルビル(国際線)の各出国審査場・上陸審査場

主要な空港にはどこでもあります。

 

 

詳しい使用方法は、法務省のホームページにあるので、気になる方はチェックして見てください。

法務省:自動化ゲートの運用について(お知らせ)

 

それでは、行ってきます!!!

 

限界費用ゼロで資本主義2.0時代へ

限界費用ゼロ社会と共有型経済の台頭

限界費用ゼロ社会 〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭

限界費用ゼロ社会 〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭

 

 様々なところで資本主義の限界が論じられている今日ですが、この本はそれを紐解いてくれます。

最近、ポスト資本主義という言葉を掲げる人が見受けられますが、私は"ポスト"ではなく"2.0"だと言っています。

"ポスト=脱"という意味がありますが、共感経済や共有経済になったとしても、それは資本主義無くして実現できない世界なわけで、"脱する"わけではないからです。
どちらかというと、資本主義という土台の上のレイヤに共感経済や共有経済があるという認識なので、"資本主義2.0"という言い方の方が妥当な気がします。

むしろ、資本主義という言葉すら使わない、"共感主義"という言い方をした方がいいかもしれません。

 

資本主義のジレンマ

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経済学者のランゲやケインズは、1939年代に資本主義の核心にある矛盾に気づいていたそうです。消費者が製品の限界費用だけしか支払わない経済こそもっとも効率的であることを経済学者は昔から理解していました。

資本主義体制の企業は、高品質の製品を安く製造し販売するという競争を行います。安く生産するには、生産性を高めて大量生産します。すると、限界費用がどんどん下り1個あたりの生産費用が低くなります。そして、AIやIoT、3Dプリンターなどのテクノロジーの発達によって限界費用がゼロに近づいています。

 

経済学者が考える効率的な経済を目指した時、消費者は限界費用だけしか支払いません。限界費用がほぼゼロだった場合に企業は投資収益と十分な利益を確保できなくなり、株主を満足させられなくなります。

大手企業は、市場で力を持っているので独占的支配を行い、限界費用より高い価格で消費者に買わせようとします。

そして、見えざる手によって限界費用ほぼゼロの効率的な経済を目指すことを防ごうとします。

このジレンマが資本主義の理論と実践の根底にある固有の矛盾です。

 

コモンズ時代の再来

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コモンズとは

資本主義市場と代議政体のどちらよりも長い歴史を持つ、世界で最も古い、制度化された自主管理活動の場なのだ。

コモンズは昔のものとされがちですが、実は我々の生活の近くに存在しています。例えば、慈善団体や宗教団体、スポーツクラブ、信用組合、分譲住宅の管理組合など様々なところで見かける団体はコモンズ式に活動しています。

このコモンズでは、社会関係資本を生み出し人と人との信頼関係に基づいて経済活動を行なっています。

社会関係資本とは、市場では評価されにくい他人との"信頼関係"や"ネットワーク"のことです。

この協働型コモンズにおいては、"お金"を返すことなく持ちつ持たれつの関係性で経済を回すことができるのです。

なぜなら、他人との信頼関係に基づいて取引を行うからです。日本の田舎の村でも同じことが行われていますよね。「じゃが芋が豊作だったからおそそわけしたら、秋にお米でお返しをもらった」というように、ここには信頼関係によってお金を返さないやりとりが発生しています。これもれっきとして経済活動です。

今までは固定された場所に依存していましたが、インターネットの発達によって世界中の人が同じ価値観の人と協働型コモンズを作ることによって、様々な信頼に基づくお金を使わない経済が生まれるようになります。

このコモンズでは、経済的豊かさ(モノの所有やマネーリッチ)ではなく、精神的豊かさ(友情、愛情)を追求する社会になります。

 

ミレニアル世代

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ミレニアル世代とは、1980~2000年頃に生まれた人達のことを指します。この時代の人達は、モノの所有よりもアクセスを重視します。

例えば、一つの家を所有することよりも色々な場所に住むことを好みます。家を所有する時に、大体の人はローンを組みます。30歳の時にマイホームを立てるために30年ローンを組んだ場合、60歳まで返済する必要があります。その間は、その家に住むことが前提となります。60歳になり、ローンを返済した時には若い時に出来ていたことが出来なくなり、その活力も30歳の時よりは衰えています。

"お金"を得る行為は、負債なのです。"今"という時間を犠牲にして、幻想のような未来のために貯蓄するのです。

このように、"今"という時間を大切に生きたいと考えるのが、ミレニアル世代なのです。

こうした、ミレニアル世代が社会の主軸となってきた今世紀だからこそ、新たな変革が生まれ始めています。

 

プロシューマーの登場

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プロシューマーとは、producer(生産者)とconsumer(消費者)を組み合わせた造語で、製品開発も担う消費者のことです。

資本主義市場においては、消費者と生産者は区別されていたが、協働型コモンズにおいては、消費者も生産者も兼ね備えた存在になります。

その証拠に、Airbnbやメルカリの市場は広がっており消費者でもあり生産者でもある人々が増えていますし、違和感さえありません。

協働型コモンズでは、プロシューマーによって情報やスキル、リソースなどがオープンソースとして公開され、互いに共創を行うことで限界費用がほぼゼロで新しいサービスが生み出されシェアされます。

家や自動車、衣服、食品、エネルギーなどなど様々なものが協働で生まれ、シェアによって流通するようになります。この経済システムを支えるのが社会関係資本と言われるコモンズ内での信頼関係とネットワークです。

このコモンズ経済圏においては、お金を介在させなくても経済活動が営まれます。

 

21世紀は共感の時代

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資本主義誕生〜20世紀までの幸せは、「モノの所有」でした。しかし、21世紀に入り、2008年のリーマンショックによって、資本主義の綻びを学びました。2011年には、東日本大震災によって"今"や"絆"を考えるようになりました。

人災や天災によって、モノの所有よりも人との繋がりによって幸せを感じる人が増えてきたのが21世紀という時代です。

共感による経済は、ユートピアのような理想主義を思い起こす人がいるようですが、実際はその正反対だと筆者は述べています。

本書の16章「生物圏のライフスタイル」を引用します。

共感を抱くとは、他者が繁栄するよう応援し、相手の短い生涯に秘められた可能性のすべてを自ら実感することだ。思いやりとはすなわち、地球上で生命の旅をする仲間として連帯の絆を認めて、互いの存在を祝福する私たちなりの方法なのだ。

 つまり、他者との共感とは喜怒哀楽すべてを共にすることを意味しています。他者への共感は、自分の命と同じように相手の唯一無二の命を認識することです。

より、人と人とが近くで接し、同期するような感覚の経済システムが共感経済です。

 

今までの資本主義経済は、機械的なシステムで動き人間に違和感を感じさせてきましたが、共感主義経済は、生命的なシステムで動く経済でありより生命体である人間にとってはフィットする世界なのではないかと思います。

 

私は、こうした人と人とが共創によって生産し、生産したものを共有によって流通させる経済をコラボシェア経済と言っています。

こうした、コラボシェア経済が実現することで、協働型コモンズが他人との信頼関係によって取引を行い生命的な共感によって喜怒哀楽を共有し、生命体として人間が強くなるのではないかと考えています。

 

本書によって、自分の価値観を肯定された側面が大きく、それと同時に資本主義を提唱した人達さえも共感経済を見据えていたことに驚きを感じました。

 

限界費用ゼロ社会 〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭

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