【必見】エストニア法人設立の手順を解説します
こんにちは。
先日ご報告しましたが、エストニアで起業しました。
e-residencyを取得すればエストニアで起業できるという情報は増えてきましたが、具体的にどうやって法人を作るのか?についての記事は日本語では一つもありません。
そのため、どうやってエストニア法人を起業するかについて解説していきます。
その前に、一点注意すべきことがあります。
e-residencyを2017年10月25日以前に取得された方全員が対象のアップデートがあります。もし、2018年3月31日までにアップデートしないとe-residencyが無効になります。
お気をつけください。
アップデートは、PCにe-residencyを接続し、ID-card utiliityアプリを開くと、アップデートメッセージが表示されるのでそれに従ってください。(Macの場合、App StoreでID-card utiliityアプリのアップデートもされていました。)
もし、まだe-residencyを取得していないという方はこちらでe-residencyの取得の仕方を解説していますのでぜひ。
法人設立のやり方
<準備するもの>
・PC
・e-residencyカード
・カードリーダー
・PINコード(1)と(2)
・クレジットカード
・パスポート
・ID-card utiliityのインストール
・DigiDoc3 Clientのインストール
アプリのインストールはこちらを参照してください。
https://installer.id.ee/?lang=eng
<気をつけること>
僕の場合、Macとe-residencyの相性があわず、エラーが続いたので友人のWindowsを使い法人を設立しました。
もし、エラーが多いようであれば、Windowsで試すことをオススメします。
ステップ1
Company registration portalにアクセスし、ログインします。
ログインボタンをクリックすると、このようなポップアップが出てくるので、Estonia ID-cardというボタンをクリックします。
すると、認証が始まり、PINコードの入力が求められるので入力してください。
ステップ2
ログインできると、このように会社形態を選択することができます。
今回僕は、エストニアで一般的なPrivate limited company(OÜ)を選択しました。
その後、いくつかの項目を選択していくと、
このような画面が出てきます。
ここに必要事項を記載していくと法人設立ができます。
この画面を見たときに、「ブログの開設かよw」と驚きました。
各項目を日本語に直してみました。
・会社種別(最初に選択したものが表示されている)
・会社名
・オフィス住所(エストニア住所)
・資本金(最低2,500EUR)
・個人名、住所、パーソナルコード(エストニア人or代行企業も必要)
・代表権の仕様
・会計期間
・出資者情報
・株式種類と権利
・定款(英語で選択式での定款作成)
・社外取締役(任意)
・連絡先(メールアドレス)
・事業領域
・追加資料(任意)
全てを解説するのは大変なので、かい摘んで説明します。
Address
これは会社のエストニア住所を入力するところです。
ここで手間取りました。
今回、1officeでバーチャルオフィスを借りたのでその手続きも後ほど解説します。
Persons in the entry
ここには、e-residencyを保有するボードメンバーの情報を入力する必要があります。
注意は、エストニア人(or代行業者)を1人は入れなければいけないということです。
それも1officeでは代行してくれます。
Articles of Incorporation
定款は、ある程度フォーマットが決まっていて、赤字の"PLEASE FILL IN!"という表示のところを選択して定款作成します。
入力できる項目を入力してください。セッションが切れても、保存されているので落ち着いて手続きを進めてください。
AdressとPersons in the entryは、1officeのような代行業者がいないと記述できないので、次に1officeについて説明します。
1officeでの手続き
1officeのサイトにアクセスします。
Loginからe-residencyを使ってログインしてください。
Company registration portalのログイン時の同じようなログイン画面なので、"ID-card"をクリックしてPIN(1)コードを入力すればログインできます。
1officeには、1officeが提供している解説資料があるので、こちらを参照してください。
https://portal.1office.co/files/1Office_Portal_manual.pdf
法人設立の手続き代行、バーチャルオフィス1年分、コンタクトパーソンのパッケージ代金の支払いが658.80EURなので、日本円で約9万円です。
Company registration portalに戻る
Company registration portalに戻り、AdressとPersons in the entryを記述します。
Adress
1officeで情報入力ページに表示されていた、Company Adressを入力します。1officeのバーチャルオフィスの住所はこの住所になります。
"Narva mnt 5, Kesklinnakantud linnaosa,Tallinn,Harjumaakond"
おそらく、こちらの住所をコピペするとエラーが出るので、指示に従い順番に入力してください。
Persons in the entry
Persons in the entryの代行業者には、こちらの情報を入力します。
電子署名
②Confirmation of the petitionに進むと、電子署名が求められます。
PIN(2)を入力し、電子署名が完了させます。
1officeの支払いが完了して入れば、1officeからの連絡を待ちます。
1officeから連絡がきたのちに、再度Company registration portalにログインすると1office側の電子署名がされており、手続き終了です。
基本的には、資本金の払い込みをしなくてもレジスターされた時点で登記手続きは終わるようです。
オンライン法人口座Holviの開設
唯一エストニアにオンラインで法人口座が開設できるのが、フィンランドのHolviというサービスのみです。
Holviは、個人が株主の場合は法人口座が作れますが、企業が株主の場合は口座が作れません。
そのため、企業から出資をもらっているスタートアップがエストニアに口座を作るためには、現地に赴きエストニアの銀行の法人口座を作る必要があります。
サインアップした後に、マイアカウントから必要事項を記入してください。パスポートの写真をアップロードする必要があります。
それと、設立した法人の8桁の法人番号を入力する必要があります。
この法人番号は、Company registration portalから確認することができます。
入力が完了すると、後日承認された趣旨のメールが届きます。
これで、Holviのすべてのサービスが使えるようです。
〜追記 2017/11/18〜
Holviに登録してから2週間ほどで、Holviが提供するBusinessマスターカードが届きました。
Holviのサイトに行って、カードをアクティベートすると利用可能です。
カード番号をSNSなどに公開しないよう注意文が書かれていたので、修正しています!
最後に
僕の場合は、知人にe-residencyを使ってエストニア法人を設立した人がいたので、その人に手伝ってもらいながら設立しました。
日本で法人設立をした経験のある方ならわかると思いますが、定款を個人で作ることも大変ですし、色々な役所に届出を出さねばなりません。
特に日本だと、印鑑を作る必要がありますし、手間もお金もかかります。
エストニアは、ブログを開設するように手続きができますし、e-residencyでの電子署名で法人設立が完結します。
今後、日本もエストニアのように簡単な手続きで起業登記ができるといいですね。