Roamers Lifeという生き方

エストニアをベースに無拠点生活を目指す奮闘記

感謝経済の社会的背景

前回は、「感謝経済とは何か?」ということを説明しました。

keisuke-chiba.hateblo.jp

 

今回は、「なぜ感謝経済が今の時代に必要なのか?」を時代的背景か紐解いていきます。

 

感謝経済の社会的背景

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現代社会は、過去に類を見ないほどの急激な成長を成し遂げました。先進国においては、衣食住が十二分に整い、家電製品も自動車もほとんどの家庭に浸透しています。
この発展によって、肥満や食品ロスが社会問題になったり、自動車の排気ガスによる環境破壊が起こっていたりと経済的に"豊か"になったが故の社会問題が世界中で起きています。

 

現代の豊かな社会を築き上げたのは、他でもなく資本主義という経済プラットフォームでしょう。

 

15世紀:大航海時代

時代は遡り、15世紀の大航海時代あたりから生まれたのが、現代にも繋がる資本主義です。この時代は、当たり前ですがインターネットも飛行機もありません。上下水道すら整備されていないため、ペストと呼ばれる死の病が大流行し、多くの死者がでました。

つまり、全くもって物質的な豊かさを持っていない時代です。アブラハム・マズローの欲求5段階説に基づくと、1~2段階目である生理的欲求と安全欲求が不十分な状態でした。そのような時代に、資本主義のタネが生まれたのでした。

また、16世紀の哲学者ジョン・ロックの提唱した所有権という概念もまた資本主義の前提となりました。(私的所有権を行使することで、地球を生命体ではなく、物質と捉え、利己的に扱うことを許される原因になります。)

 

18世紀:産業革命時代

その後、18世紀後半になるとイギリスを起点に産業革命が起き、一気に機械工業化していきました。

かの有名な「国富論」の著者であるアダム・スミスも18世紀の経済学者です。この時代は、15世紀に比べれば豊かになりましたが、まだまだ満足できるほどではありません。

この18世紀の産業革命によって近代資本主義の基礎が創られました。

 

20世紀:世界大戦時代

20世紀には、二度の世界大戦が繰り広げられた世界戦争の世紀と言えるかもしれません。第一次世界大戦は、大不況から立ち直るための植民地化が引き金になりました。第二次世界大戦は、アメリカで始まった世界大恐慌の影響を受けたドイツがポーランドへの侵攻によって始まりました。

こうして、経済的理由から世界大戦が勃発したのが20世紀でした。マズローの欲求5段階説に話を戻すと、自国民の生理的欲求と安全欲求が満たされなくなると、経済的に追い詰められ戦争に発展しているようにも伺えます。

 

第二次世界大戦後、日本では戦後復興を掲げ、高度経済成長時代・バブル経済を経験し、モノが世の中に行き渡りました。

アメリカは、太平洋戦争で本土が戦場にならなかったことが幸いし、軍需景気による恩恵を受けて、大戦後はアメリカ中心の経済時代が訪れました。

一方ヨーロッパでは、ソ連が台頭し、ドイツが二つに分裂するのなど資本主義と共産主義が入り混じる時代ではありましたが、西ドイツとフランスの平和的歩み寄りによってEUの礎となる欧州石炭鉄鋼共同体が生まれた。資源や領土の奪い合いではなく、協力しあい分け合うという平和的解決によって、経済を復興させました。

 

20世紀後半の1990年代になると、徐々に情報革命が起きテクノロジー(情報技術)の急激な成長によって、モノの限界費用が下がり、物質的豊かさを享受していった。このテクノロジーの発展の要因になったのは、間違いなく戦争でしょう。
資本主義の経済成長やイノベーションには、戦争という軍事産業が欠かせない存在です。

 

21世紀:精神文明時代

今世紀である21世紀は、人類史上もっとも平和かつ物質的豊かさを手に入れた文明であろう。その21世紀に突入して、18年目に差し掛かりました。

 

先進国においては、生まれた頃からモノがありふれているため、物欲を持たない世代が国境を超え地球中で登場しました。

そして、物質的豊かさを追い求める経済システムに違和感を覚え、心の豊かさを求めているのが我々ミレニアル世代です。

 

先ほどから、”先進国”とあえて限定させている理由は、日本をはじめとする先進国の経済成長のために、それ以外の力の弱い国々を利用してきたからです。

言うなれば、少し自由度が増した植民地時代とでも表現してみよう。その結果、我々は金銭的に安くモノを手に入れることができています。

ファストフードやファストファッションのような安くて良質な製品/サービスを手にできるのは、多国籍企業による奴隷制度のおかげと言えます。

このように、物質的豊かさを手に入れた我々先進諸国の人々は、今違和感を覚えています。「私たちは、本当に幸せなのか?」という疑問です。

我々日本人は、世界第3位のGDP(モノの豊かさ)の経済大国に暮らし、73年間戦争をしない平和な時代を歩んでいます。しかし、幸福度ランキングでは先進国最下位ですし、首都圏では毎日人身事故が起き、自殺者が後を絶ちません。

 

お金を稼ぎ、何不自由ない生活ができているにも関わらず、何かが足りないと。そして、私たちが豊かになればなるほど、世界では不幸になっている人たちがいるという事実もリアルタイムで知ることができるようになりました。

 

 

感謝経済と欲求5段階説

マズローの欲求5段階説を持ち出すと、20世紀後半から現在に至るまでに生理的欲求も安全欲求も満たすことができました。インターネットの登場で、社会的欲求や承認欲求も拡張した形で”埋める”ことが可能になりました。

 

しかし、社会的欲求から上の欲求は、資本主義では満たせないと私たちは考えています。なぜなら、資本主義はモノの豊かさを追求するために開発されたツールだから。そのため、競争の原理によって淘汰されるように促します。
豊かな人が5人いるなら、それとバランスするために、貧しい人が95人いないと成り立たないため、常に足の引っ張り合いや裏切りをしなければ、自分が生き残れない世界が資本主義です。

 

あなたは、互いに競い合い、Give&Takeの関係性を求められ奪い合い、足の引っ張り合いを強要されるコミュニティに属したいと思いますか?私は”No"です。

つまり、資本主義で成り立つコミュニティは、居心地が悪いコミュニティになってしまいます。

 

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今日、我々が抱く”違和感”は、資本主義というモノの豊かさを追求するツールを使って心の豊かさを追求しようとしている点にあるのではないでしょうか。

 

私たちは、資本主義をアップデートするのではなく、経済の原点(家計の学問)である"家族"的な贈与への原点回帰として、心の豊かさを追求するツールとして感謝経済を提案しています。

 

 

 

今回、感謝経済に共感していただけた方は、ぜひ感謝経済の創り手になってください!

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*ファンクラブの会費は、感謝経済圏をよりよくするために使います。