アメリカ資本家の愛読書「肩をすくめるアトラス」とは
肩をすくめるアトラス
この「肩をすくめるアトラス」は、1991年にアメリカの議会図書館が行った調査で、20世紀アメリカで聖書についで読者の人生に影響を与えた本とされたようです。
それほど、影響力を与えた本と知って、僕は読み始めました。
全1270ページにも及ぶ小説だったのですが、小説を読んだことがなかったので、新たなる挑戦でもありました。
時間をも見つけて、ひたすら読みましたが、ストーリーが面白く、飽きることなく読み終えることができました。
簡潔にいうと、
アメリカ経済を牽引して来た大資本家たちが、自分の力で築き上げた財産や技術、会社を、政府や議会、国民にことごとく邪魔され搾取されることに不満を覚え、コロラド山中に自分たちの村を作り、世界の崩壊を待ちたかり屋が死んだら自分たちの力で一から世界を作ろうとする物語です。
この本をなぜ読みたかったかと言いますと、
今の世界を牽引している人たちのバイブル書だからです。
スティーブ・ジョブズ、ピーター・ティール、ドナルド・トランプ、エドワード・スノーデンなどなど
著名人たちが読み、影響を受け、その世界を体現するために動いていると言われています。
アイン・ランドのリバタリアニズム(自由至上主義)の思想に触れたことがなかった私にとって、「こんな考え方もあるのか。」と考えさせられる一面もありました。
リバタリアンに賛成反対ということではなく、アメリカ大統領がトランプになり、世界を席巻している資本家たちが自由至上主義を考えているのであれば、世界の動向は、自由至上主義的に傾くことは考えられます。
そのため、「肩をすくめるアトラス」を読めば、トランプの発言やピーター・ティールの行動が今までよりも納得がいくところがあるかもしれません。
気になったフレーズを紹介します。
己の人生とその愛によって私は誓う
私は決して他人のために生きることはなく
他人に私のために生きることを求めない
この言葉は、この本のキーワードでした。
財産とは人生を拡大する手段にほかならない。それには二つのやり方がある。より多く生産するか、より早く生産するか。早く生産することで、時間を作ることができる。
多くを生産して蓄える財産は、お金。
早く生産して蓄えられるのは時間。
皆が、互いの生産物を使って寿命を延ばし、時間を作るために生産物を使うから、彼らの生産物を使えば自分も寿命が伸びる。
谷の村では、互いに自由でありながら、共に成長している。
自分の人生を所有してそれを成長に注ぎ込むことよりも素晴らしい財産があるだろうか?
生きている限り成長するか破滅するかの二択。
リバタリアンの本質は、お金という財産を築くことではなく、時間という財産をいかに多く蓄えるかだと感じた部分です。
資本家も貧乏人も唯一平等なのは、「時間」だけです。
いかに時間をたくさん蓄えて、好きなように生きられるかを重視するというところに共感しました。
- 作者: アインランド,脇坂あゆみ,Ayn Rand
- 出版社/メーカー: ビジネス社
- 発売日: 2004/09
- メディア: 単行本
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興味がある方はぜひ、読んでみてください。
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